とんかつ係長でーす。
和久井健先生の漫画『新宿スワン』。
歌舞伎町を舞台にした、スカウト達の熱き仕事バトルが面白い作品ですね。
個人的に大好きな漫画のひとつです。
園子温監督が実写映画化した2作品もバッチリと鑑賞済みです。
この作品の主人公である白鳥タツヒコは、一言でいうとバカで正義感の強い男。
そして、作中ではとにかく色々な人や上司から好かれるタイプです。
この『色んな人から好かれる』や『上司から好かれる』などの能力は、リアル世界の社会においても重要なポイント。
そんな白鳥タツヒコの魅力を解析して行きたいと思いますー。
目次
①仕事能力は乏しいが、やる気があって可愛いバカな後輩
作中でのタツヒコの描写は仕事能力が乏しいバカな性格として描かれています。
まぁ上司である関と真虎の能力が非常に高すぎて比較基準が高くなってしまってる世界観ですが、それを加味しなくても仕事能力は平凡以下です。
仕事能力はなくとも『優しさ』『純粋さ』『可愛げのあるバカさ』を持っています。
この部分を嘘偽りなく素で出しているのが、上司や他人に好かれる部分だと思います。
・仕事能力がめちゃくちゃ高くて完璧な後輩
・少し抜けてて素直で無邪気な後輩
の2タイプがいたら、上司から見て後者の方が『育てがい』や『教えがい』があります。
(他人の話が全く理解できないタイプのバカだったらそうはいきませんが)
人って結構『教えたがり』や『話したがり』な部分を持っている事が多いですから、素直で可愛い後輩が相手だとその部分を刺激します。
「教えてくれてありがとうございます!」「めちゃくちゃ勉強になります!」のように喜ばれると、悪い気なんて全くしません。
仕事能力がめちゃくちゃ高くて完璧な後輩の場合は放置してても大丈夫なので、『教えがいがあって可愛い』ではなく『完璧だから頼みがいがある』と言う感じになります。
②よほどのケースでない限り上司の指示にNOとは言わない
初作の映画でのワンシーンで、関が無茶ぶりの指示をするシーンがあります。
その指示内容は『競合会社ハーレムのスカウトエリアで女の子をスカウトしろ』と言うもの。
これに対しタツヒコは「え?いいんすか?」と言うだけで、詳しく理由も聞かず即座に行動に移します。
タツヒコが細かく考えないバカなタイプと言う設定もあるからかもしれませんが、
これって普通の感覚であれば「競合エリアだとモメますよね?」くらいの理由を聞いちゃうと思います。
そこから納得のいく理由を聞いて『安全だ』と言う事がわからないと行動に移せないと思います。
作り話なのでこのシーンは極端な例ではありますが、リアル世界でも『指示に対してグダグダ言わずにすぐ行動に移す』と言う後輩は必ず好かれます。
それが例え多少無茶な指示だったとしても、NOと言わずにサラリと動く後輩は評価が高いでしょう。
ただし、明らかに達成不可能なのに指示を軽く受けてしまうと後々で問題になりますので、そのバランス感覚は必要でしょうね。
③何事に対してもプライドや損得を考えずに全力で動く
世の中の一定数の人は『効率』とか『損得』を考えて仕事に挑みます。
『効率』に関しては確かに良い方がいいですもんね。
でも、タツヒコはバカなのでそんな思考習慣はありません。
自分にとって得にならなくても、効率が悪い手法でも、とにかく動きます。
営業会社で昔あった『電話の受話器と手をテープでグルグル巻きにされて1日中テレアポをさせられる』と言う仕事をタツヒコが振られた場合、有無を言わずに全力でやるでしょうね(笑)
そして無駄なプライドとかがないので、上手くいかなければ誰彼構わずにコツを聞いたり相談したりするでしょう。
能力のある人間よりもタツヒコのようなタイプが先に出世するケースは結構ある現状
昔に比べて今の社会は『実力主義』がだいぶ浸透して来た方だと感じますが、まだまだ上司に好かれて出世するケースはあります。
たとえ意図的なゴマすりであろうと意図的じゃない自然体だったとしても、上司に好かれて『出世した』と言う結果を出した方が勝利者となる世の中です。
自分は数社の会社を経由してきましたが、実際に目の当たりにして来ています。
明らかに能力が高いA君よりも、上司にいつもイジられたりして可愛がられているB君の方が重要な役職に抜擢された、などのケースですね。
一番の理想形はもちろん『能力もあって上司にも可愛がられる』が良いですが、仕事能力も可愛がられる性質も一朝一夕で身に付くものではありません。
能力ばかり磨いて上司との関わり方をおざなりにしていると、タツヒコのようなタイプに先を越される可能性が充分にあり得ます。
まるまるタツヒコのような人間はあまりいませんが、タツヒコみたいなタイプの人間が社内にいたら良い部分を間近で見て盗むのが良いかもしれませんね。